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ぺこぺこうどんの大阪うどんの「具」

ぺこぺこうどんの大阪うどんの「具」

具に関しては僕も新メニューを考えたり工夫しているんですけど

どうしても同じ具が生き残るんです。

だから、ぺこぺこでお出ししている具は「本当の王道」のものばかりだと思います。


これからも工夫していきたい部分ではありますが、なかなか新たな王道の具を開発できていないのが現状ですね。

それに、あんまり突飛な具をお出しするとぺこぺこメルマガやLINEをチェックしている昔からのお客様から「それは邪道やで」と言われてしまうんです・・・ありがたい話です・・・



それでは、ぺこぺこうどんの具とトッピングをいくつかご紹介します!


玉子とじ

今では名物になっている「玉子とじうどん」は、だしにトロトロの半熟卵が入っているのですが、当初は、まかないで食べていたのです。

忙しい日はトッピングが何も残らなくて、生卵しか無かったのです。

そこで、月見うどんは生卵をポンと落としますよね。

そうじゃなくて、鍋でうどんを仕上げる時に沸騰しただしに卵をかき混ぜてトロトロの半熟卵にしたのです。

すると、だしとの相性がめちゃくちゃ良かったのです。


それと、うどんとのバランスで卵が1個ではなくて、2個がベストな量なので、どのトッピングとの相性もよく「自家製ゆがきたて麺を、お腹いっぱいお召し上がり頂いて、心も身体も温まって頂きたい」そんな想いにピッタリな名物メニューになりました。


そんな卵なのですが、先代から受け継いだ自慢のだしの良さを損なわない卵を、探し出すのがとても難しかった。

卵はスーパーで販売している物から、地鶏の卵まで数多くあるからです。

卵のコクや旨味が薄ければ、だしとの相性が悪くなる。

反対にコクや旨味が濃すぎれば、だしの風味が消し飛んでしまう。

そのため、毎日、毎日、卵を食べて研究しました。


そして見つけたのが、水清らかな京都府舞鶴市長浜の養鶏場(三和鶏園)で、手間と時間を惜しまずに、大事に健康に育てられた『京の地玉子』は、濃厚ながらコクのある上品な風味の卵です。

このあっさりした優しい味わいが、当店のうどんのだしにピッタリなのです。



牛肉ごぼう

トッピングで創業当初から一番人気なのが「牛肉ごぼう」なのです。

これは先代の味を今も、そのまま守り通しています。


ササガキしたゴボウをフライパンで炒めてキンピラゴボウにしてから、2日間冷蔵庫で寝かせています。

その後、国産の赤身肉を炒めてキンピラゴボウの煮汁と、うどんのだしを入れてコトコト煮込んで、キンピラゴボウと和えて仕上げます。


現在は群馬県産の上州牛の赤身肉を使っていますが、実は過去に上州和牛の最上級のA5ランクの霜降りを使ったことがあったのです。

ランクが上のお肉の方が絶対に美味いはずだ!と、思って。

でも、霜降り肉で作ると脂がキツ過ぎてだしがお肉の脂まみれになりました。

あ〜これは赤身肉じゃないと美味くならないと、改めて料理の奥深さを知りました。



大海老天

トッピングの王様と言えばやっぱり「エビ」ですよね。エビはご馳走感がありますよね。

洋食屋さんのエビフライも、お寿司のエビも大人気ですし、オシャレなエビのアヒージョなんてのもいいですよね。

そんなエビを天ぷらにしています。


もちろん、普通のエビではなくて天然のエビを使うことでプリップリの食感と旨味の濃さを味わって頂きます。

さらに、ご馳走感を楽しんで頂きたいので、普通より1.5倍も大きい大エビを贅沢に使います。

「あ〜エビをガッツリ食べてる」って思って頂けます。


何と言っても、エビの天ぷらはシャキッと真っ直ぐになっていないと価値がないのです。

そのため、殻をむいて背中に切り込みを入れて背ワタを丁寧に取って、真っ直ぐに揚がるように切り込みを入れて、筋を伸ばします。

最後に尻尾の先に水分を含んでいるので、その箇所を丁寧に切り取ります。

そうすることによりキレイに尾が開きます。最後にタップリの日本酒でサッと洗って旨味を含ませます。


私自身大好きなエビなので手抜きは一切ありません!



ちくわ天

全国のかまぼこ屋さんから何十本ものちくわを取り寄せ研究しました。

その中で、大きさや厚みや味わいがだしとの相性が一番良かったのが、大正15年創業の出雲の老舗のかまぼこ屋さんの「鯛ちくわ」でした。

贅沢に鯛のすり身を入れた鯛ちくわを独自のルートで仕入れることができたのです。


揚げたて天ぷら

カラッと油切れが良くて、サクッとした歯応えを生み出すには、天ぷらの揚げ衣と油がとても大切なのです。

それは天ぷらとは、揚げ料理ではなくて「蒸し料理」だからです。

え!と、ビックリされましたか? 実は、天ぷらは素材を衣で包んで油で揚げるのですが、衣でコーティングされて素材自身の水分で蒸されて熱が入るのです。

そのため、素材の持ち味を最大限に味わうことができるのです。


素材の旨味を引き出すには、揚げ衣が分厚過ぎると、もったりした重い食感になり、逆にシャバシャバで薄過ぎると、素材をコーティングしきれず素揚げ状態になり、食感が硬くなるのです。

そのため、何種類もの小麦粉を取り寄せて何度も何度もテストをして今のオリジナルブレンドの小麦粉に辿り着きました。

それと、店内でも「お冷」として提供しているキンキンに冷やしたアルカリイオン水で、小麦粉を溶いて使うとサクサク感がアップするのです。


その揚げ衣を受け止める油も何度も何度も試したのです。

試行錯誤したのち、米油がもっとも衣との相性が良くて今は使っています。

揚がり方や熱の入り方、香ばしさや上質のサクサク感、軽い口当たりで、いくら食べても胃もたれや、胸やけがしないのです。

さらに、抗酸化成分が豊富なのです。


それと、天ぷらを揚げている時に、油からの湯気とか匂いで、車酔いみたいになる方がいませんか?

実は、私がそうだったのですが、米油に変えると、その油酔いがなくなりました。

コーン油、キャノーラ油、白胡麻油、なたね油、オリーブオイル、綿実油などなど、数多くの油をテストしました。

その結果組み合わせだけが分かっただけじゃなくて、何度も何度も揚げ衣や油の組み合わせを試して天ぷらを揚げていると、天ぷら専門店の職人みたいな立派な天ぷらができるようになったのです!



きつね

うどんの定番は天ぷらだけではありませんよね。

「きつね」は、大阪のうどんのド定番ですよね。

そのため、目一杯楽しんで頂きたいので、普通の2倍の大きさにしました。


しっかりと熱湯をくぐらせて油抜きしてから醤油、ザラメ、みりんとだしでコトコトと煮込みます。

できあがったきつねは一晩冷蔵庫で寝かせて味を含ませることで、噛むごとに旨味がジュワッと広がるのです。



紀州南高梅

意外な人気トッピングが「梅干し」なのです。

個人的にも好きなので2種類を用意しました。


ひとつ目が「白干し(しらぼし)」です。

昔ながらの、お婆ちゃんが漬ける酸っぱい梅干しです。

この白干しはだしに梅のエキスが溶け出し相性が抜群なのです。


2つ目が「味梅(あじうめ)」です。

塩分を半分ほどに抑えたハチミツを加えた、甘酸っぱい梅干しです。

麦ごはんのお供としてや、ぶっかけのうどんとの相性が良くて、キリッと味をひとまとめにします。



おぼろ昆布

隠れファンが多いのが「おぼろ昆布」なのです。

北海道産の極上昆布を使ったおぼろ昆布を使うのですが、おぼろ昆布と、とろろ昆布と何が違うのですか?と、よく聞かれます。

それは、昆布の等級と削り方の違いなのです。


え?どう言うことですか?って思いましたか?

カンタンに言うと、おぼろ昆布は3ミリ以上の肉厚で表面が平な昆布のいい箇所だけ使って職人がカンナを使って手で削るのです。

そのため、昆布の旨味が凝縮しているのです。


で、とろろ昆布は昆布をギュッと圧縮して機械で削っているのです。

そのため、おぼろ昆布は、とろろ昆布の2倍以上の仕入れ値がするのですが、利益度外視しても外せないのです。