今では名物になっている「玉子とじうどん」は、だしにトロトロの半熟卵が入っているのですが、当初は、まかないで食べていたのです。
忙しい日はトッピングが何も残らなくて、生卵しか無かったのです。
そこで、月見うどんは生卵をポンと落としますよね。
そうじゃなくて、鍋でうどんを仕上げる時に沸騰しただしに卵をかき混ぜてトロトロの半熟卵にしたのです。
すると、だしとの相性がめちゃくちゃ良かったのです。
それと、うどんとのバランスで卵が1個ではなくて、2個がベストな量なので、どのトッピングとの相性もよく「自家製ゆがきたて麺を、お腹いっぱいお召し上がり頂いて、心も身体も温まって頂きたい」そんな想いにピッタリな名物メニューになりました。
そんな卵なのですが、先代から受け継いだ自慢のだしの良さを損なわない卵を、探し出すのがとても難しかった。
卵はスーパーで販売している物から、地鶏の卵まで数多くあるからです。
卵のコクや旨味が薄ければ、だしとの相性が悪くなる。
反対にコクや旨味が濃すぎれば、だしの風味が消し飛んでしまう。
そのため、毎日、毎日、卵を食べて研究しました。
そして見つけたのが、水清らかな京都府舞鶴市長浜の養鶏場(三和鶏園)で、手間と時間を惜しまずに、大事に健康に育てられた『京の地玉子』は、濃厚ながらコクのある上品な風味の卵です。
このあっさりした優しい味わいが、当店のうどんのだしにピッタリなのです。